秋から冬にかけては、風邪やインフルエンザ、RSウイルス感染症、胃腸炎などが流行します。
「子どもが風邪をひき、数日後には家族全員が体調を崩してしまった」という経験はありませんか。
当院でも、保護者の方から次のようなお話をよく聞きます。
「下の子から上の子へ順番にうつり、ようやく落ち着いたと思ったら、今度は親(私)が発熱してしまって…」
「子どもは元気になったのに、親(私)の症状がひどくてつらいです…」
感染を完全に防ぐことは困難ですが、家庭でのちょっとした心がけで、家族内に広がるリスクを減らせます。
そこで今回は、風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの家族内感染を防ぐポイントについてお話していきます。
家族内感染はどうして起こるの?

感染症は、主に次の経路で広がります。
・咳やくしゃみによる飛沫感染
・ドアノブやおもちゃなどを介した接触感染
・嘔吐物や便を介した感染(ノロウイルスなど)
小さなお子さんは、咳やくしゃみをうまく覆えず、おもちゃや顔にもよく触れます。
そのため、家庭内で感染が広がりやすくなります。
また、嘔吐物やおむつの処理が不十分な場合も、感染拡大の原因になります。
家族内感染を防ぐ7つ+αのポイント
家族内感染を防ぐためには、いくつかポイントがあります。
① こまめに手を洗う
感染予防の基本は手洗いです。
外出後だけでなく、次のタイミングでも石けんを使い、20~30秒かけて洗いましょう。
・食事の前
・トイレの後
・鼻をかんだ後
・お子さんのお世話をした後
アルコール消毒も有効ですが、手が汚れているときは石けんでの手洗いが基本です。
また、ノロウイルスなどにはアルコール消毒が効きにくいため、石けんで丁寧に洗いましょう。
② タオルを共用しない
同じタオルを使うと、付着したウイルスから感染が広がることがあります。
できるだけ一人ひとり専用のタオルを用意し、毎日交換しましょう。
③ 咳エチケットを心がける
咳やくしゃみをするときは、ティッシュや肘の内側で口と鼻を覆いましょう。
使ったティッシュはすぐに捨て、その後に手を洗います。
手で覆うと、手のひらに付着したウイルスや細菌から感染が広がる可能性があります。
とっさに手で覆った場合は、すぐに手を洗いましょう。
(私も、とっさだと手で覆ってしまうことがあるのであまり大きな声では言えませんが、一緒に気をつけていきましょう!)
④ よく触る場所を清潔にする
ウイルスは手を介して広がることがあります。
次のような場所や物は、定期的に拭き掃除をしましょう。
・ドアノブ
・テーブル
・リモコン
・電気のスイッチ
・おもちゃ
・タブレットやスマートフォン
触れる頻度が高い場所ほど、意識して清潔に保つことが大切です。
⑤ 定期的に換気する
寒い時期でも窓を開け、空気を入れ替えましょう。
1時間に1回、5~10分程度が目安です。
対角線上にある窓を開けると、空気が流れやすくなります。
⑥ 食器を適切に扱う
食器を分けることより、使用後に洗剤でしっかり洗うことが大切です。
ただし、飲み物の回し飲みや、箸・スプーンの共用は避けましょう。
⑦ 家族全員で体調を管理する
十分な睡眠、栄養バランスのよい食事、こまめな水分補給も感染予防につながります。
インフルエンザなど、ワクチンで予防できる感染症については、家族で接種を検討することも有効です。
◎ 嘔吐・下痢がある場合は特に注意
ノロウイルスなどの場合、嘔吐物や便には多くのウイルスが含まれています。
処理するときは、次の点を守りましょう。
・使い捨て手袋を着用する
・マスクを着ける
・処理後は石けんで十分に手を洗う
使用したペーパーや手袋は、密閉して処分してください。
◎ こんなときは受診をご検討ください
次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
・高熱が続いている
・呼吸が苦しそう
・水分をほとんど取れない
・嘔吐を繰り返している
・ぐったりして元気がない
・生後3か月未満で発熱している
このほかにも、心配な症状がある場合は受診してください。
ちなみに当院では、院内での飛沫感染を防ぐため、完全個室待合にしています。
また同様に、院内での接触感染を防ぐため、玩具や本を置いたり、キッズスペースを設けたりといったことはしていません。
また、入口に手指消毒液がおいてありますので、帰りに手指消毒をしてもらえれば、院内で感染することはほぼありません。
このように当院では、感染対策を徹底しておりますので、安心して受診していただければと思います。
まとめ
家族内感染を完全に防ぐことは困難です。
しかし、次のような(今回ご紹介した)基本的な対策を続けることで、感染が広がるリスクを減らせます。
・手洗い
・咳エチケット
・換気
・タオルや食器類などの共用を減らす
・身の回りを清潔に保つ
すべてを完璧に行う必要はありません。
お子さんとご家族の健康を守るために、無理なく続けられる対策から取り入れていきましょう。
